ECモール楽天から撤退する企業が増えているという日経のニュースを見ました。
さらば楽天、自前サイトで勝負
厳格ルールから解放・陳列見やすく
2017/4/23 6:30日本経済新聞 電子版もう楽天は卒業します――。大手電子商取引(EC)モールから撤退し、自前の通販サイトで勝負する企業が相次いでいる。ECモールはインターネット通販の立役者だが、出店者が増えるほど埋没しやすく、制約も多い。交流サイト(SNS)や格安ツールの進化で、モールに頼らずこだわりの店がつくれる時代。ネット通販でもリアルの路面店のような個性でお客をつかむ。
この記事では、「こだわりを表現できない」という理由を中心にECモールからの撤退についてまとめていましたが、ここでは「価格」という点で考えてみます。
安さこそ正義か
「消費者は安いショップを求める」という点から考えます。
一昔前のように足で安い所を探すのとは違って、ネットでぽちぽち探す分であればほとんどコストなく延々と探して比較ができるようになりました。
今は、価格.comや比較.comで商品の最安値を探すことが簡単にできます。商品が適切に届くのであれば、最安値のショップを選びますよね。
この「簡単に最安値が探せるネット検索」と「無名のショップでも最安値で買う消費者」がマッチして、最安値を追求する動きが加速しています。
ネットショッピングであればクレジットカードで買えることも多く、カードの保険等(ショッピング・プロテクションなど)で無名のショップでも安心して買い物ができます。(自分は現金・銀行振込でも買うこともあります)
自分でも最近よく感じるのですが、「これまでに名前を聞いたことのないような無名ショップ」でも買い物をすることがかなり増えました。
(http://kakaku.com/item/K0000914338/より)
大手の家電量販店は実店舗の維持費や人件費分、安くすることが難しい商品もあります。画像は薄型テレビの価格を載せていますが、大手のショップは上位にはきていません。(大手の家電量販店は最安値にできない代わりに、ポイントを付与して利用者を囲い込みする戦略を取っている)
また、価格.comではショップの評価システムも備えており、ある程度安心してショップを選べるようになっています。
最近ではこういった買い方にほとんど抵抗がなくなってきたのか、逆に詐欺など発生すると結構な騒ぎになるぐらいですね。
「最安値」を追求していくと、自前でECサイト(商品管理や決済などネットショップ機能を有するシステム)を用意するショップが増えてくるのも当然の流れです。
ショップ側が楽天市場やYahoo!ショッピングやAmazonマーケットプレイスなどのECモールを使うと、ある程度のアクセスは期待できるものの、ECモールの使用料の分、価格を抑えることが難しくなるからです。
画像で紹介したショップも独自のECサイトを使用しています。
高価な商品ほど安く買いたいので、大手家電量販店は最安値を追う動きが加速していくにつれて売上が減少していくのではないか、独自の商品を持たないショップもまた利益の圧迫から淘汰されていくのではないか、ということが予想されます。
画像はヤマダ電機の売上推移:
(http://www.yamada-denki.jp/ir/data.htmlより)
また、2007年にPCサクセスという最安値常連ショップが破綻し、代金を支払ったものの商品を受け取れなかったという、安値を追求するあまり、てるみくらぶような事件がまた起きかねないか心配です。
もはやネットショッピングは必要不可欠なので、今後もこの動きには注目していきたいところです。
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