前回の続きで、Synthesia(シンセシア)の使い方の説明です。
前回の記事はこちらからどうぞ。
今回の記事では、手持ちのピアノ楽譜を河合のスコアメーカーで読み込んでMIDIに変換する方法を説明しています。
楽譜をスキャンしてMIDI化するメリット
今回はSynthesiaで使うために、ピアノ楽譜をスコアメーカーで読み込んでMIDIに変換するわけですが、いくつかメリットがあります。
- 作成したMIDIとSynthesiaで視覚的に練習できるようになる
- 右手パート・左手パート毎に音を確認できるようになる
- 片手練習時に、もう片方の演奏をしてくれる
- ある程度慣れたら、元の楽譜を見て練習できる
つまり、譜読みを手助けしてくれる感じですね。
で、ある程度、音の流れや手の動きが分かってきたら、元の楽譜を見ながら両手で練習すると良いと思います。
どこかでダウンロードしてきたMIDIだと、楽譜がなかったり、ピアノ用の演奏ではなかったりするので、手持ちのピアノ楽譜があればその点安心です。
今回紹介する方法で、手持ちのピアノ楽譜をMIDIに変換すれば、ピアノの練習の手助けになります。
私は、昔少しだけピアノを習っていましたが、今は独学なので、こういうツールがあるだけでもかなり捗(はかど)ります。
私はほぼ初心者に近く、簡単な楽譜やメロディーなら譜読みできますが、音符の数が多すぎると大変すぎて一気にモチベーションが落ちてしまっていました。最近は、SynthesiaとMIDIを使うことで楽しく練習しています。
昔習っていたときは、先生が譜読みを手伝ってくれたり、片手の伴奏をしてくれましたが、今は先生がいないので、ツール(楽譜認識ソフト・MIDI・Synthesiaなど…)が先生です。
ということで、すでにお手持ちの楽譜で使いたいものがあれば、そちらをスキャンしてMIDI化するとよいでしょう。
これから弾く曲を決める方は、ヤマハの「ぷりんと楽譜」などで楽譜を探してみてください。
PDFデータですぐダウンロードできるため便利です。
また、この後に説明しますが、スキャンやMIDI変換が難しいそうだなという方は、ぷりんと楽譜でMIDIデータも売っている楽曲もあるので、そちらを購入してみるのもよいかと思います。
ただ、ぷりんと楽譜のMIDIデータもSynthesiaで読み込めるかと思いますが、 Synthesia用に作られたMIDIファイルではなく、 多少の問題があるかもしれないので、その点はご注意ください。
楽譜作成・認識ソフト:スコアメーカーについて
楽譜を読み込むことのできるソフトは色々あります。有名なのはFinaleでしょうか。
フリーソフトではMuseScoreというものがありました。MuseScoreは試してみましたが、うまくできませんでした。
で、今回試用したのは、河合楽器製作所の「スコアメーカー10」です。
選んだのは単純な理由で、体験版が使えたからです。
体験版といっても半月(15日)はフル機能が試用できるみたいなので、とりあえずは十分です。
スキャナーで楽譜をスキャンしよう
最近のプリンターは複合機タイプも多く、スキャナーもついていて便利ですね。
早速、手持ちの楽譜をスキャンしましょう。
書店や楽器屋さんで購入した紙の楽譜や、ヤマハ「ぷりんと楽譜」などで購入した楽譜データなどが使えます。
ダウンロードした楽譜の場合はPDFになっているので、そのまま読み込みできます。
スキャンするときの解像度の設定ですが、基本的には350dpiにしておきましょう。
あまり高すぎる解像度に設定してもうまく認識しないとのことです。
最適解像度の計算式があって、(7 x 350) / (五線幅(mm))で求められます。
五線譜の幅を物差しで測って7.0mmだったら、(7×350)/7.0mm=350dpiが最適解像度です。
五線幅が6.5mmだったら、(7×350)/6.5mm=377dpi
五線幅が7.5mmだったら、(7×350)/7.5mm=327dpi
五線幅が8.0mmだったら、(7×350)/8.0mm=306dpi
という感じで計算します。細かく設定できない場合は、その最適解像度の数字よりも大きめにしておきましょう。(377dpiと設定できないなら、400dpiというように。)
スキャンした楽譜画像データをスコアメーカーに読み込もう
基本的に自動で認識してくれるのですが、ト音記号やヘ音記号、調合の認識がおかしくなることがあります。その場合は、この画面で消しゴムツールなどを使って直しておきましょう。
下準備ができたら、認識実行を進めましょう。
この認識はまあまあ時間がかかりますので、少し待ちましょう。
認識した楽譜データをスコアメーカーで修正しよう
楽譜認識が終わると、上部が認識結果である楽譜データ、下部がスキャンした楽譜画像が表示されます。
認識が正しく行われているか、上部と下部を見比べるというわけですね。
今回の楽譜は簡単なものということもあり、ほとんど間違いはありませんでした。
上の写真を見ると分かりますが、最後の部分だけ認識が誤っていました。
あと、段落をまたがるスラーなどが消えていたりするので、付けてあげます。
スコアメーカーは直感的に使えるようになっているので、ほとんど迷わずに操作できました。
確認のため一通り再生をして、修正が必要であれば修正をしましょう。
楽譜の見た目だけの問題(たとえば、文字に線がかぶっていたりなど)はそのままにしておいて構いません。どうせ、MIDIに変換するだけなので。
スコアメーカーで大譜表を分割しよう
通常であれば、必要のない操作ですが、今回はSynthesiaのMIDIデータを作成するため、パートを分けておくと便利です。
パートを分けておくと、Synthesiaで右手・左手の設定をするときに少しの操作で楽にできます。
[スコアメーカー] → [メニューバー] → [拡張機能] → [大譜表の分割]を選択します。
分割するパートを選んでOKをクリックします。
これで分割できるので、ピアノ譜の場合は右手のパート・左手のパートと分けることができます。
一応、一通り再生をして分割したことで音が崩れていないか確認しておきましょう。
ちなみに大譜表の分割はスコアメーカーPlatinumで使えます。スコアメーカーStandardでは使えない機能です。
スコアメーカーでベロシティ・リバーブを調整しよう
この設定は好みの範囲ですが、ベロシティ(音の強さ)やリバーブ(音の響き)を強めにしておくと良いかなと思います。
パートを選択してからプロパティを開くと、ベロシティとリバーブを数値で指定できます。最大127までです。再生しながら、良い数値を探ってください。
スコアメーカーで完成した楽譜をMIDIにエクスポートしよう
ここまでこればあと一息です。
[スコアメーカー] → [メニューバー] → [ファイル] → [エクスポート] → [SMF]を選択します。
SMFはスタンダードMIDIファイルのことで、ほとんどのMIDIソフトで使用できます。もちろんSynthesiaでも使えます。
あとは、MIDIの保存場所を聞かれますので、Synthesiaにインポートするフォルダの中に保存しておきましょう。
Synthesiaで保存したMIDIを開いてみよう
右手・左手パートにあらかじめ分けておいたので、何も設定しなくても両手がしっかり分けられています。
たまに、左手の音だけど右手で弾くとか、その逆もありますが、その場合は前回説明したカスタムで指定するとよいでしょう。
ということで、説明は終わりです。
スコアメーカーがなかなか使えるということが分かりましたが、ちょっとお高いですね。
使いたい楽譜がしっかりと認識できるか試すためにも、まずは体験版で試用することをお勧めします。
長期間使う場合や色々と調整したい場合はライセンスを購入すればよいでしょう。
追記:2018/6/10
スコアメーカーの最新版の「スコアメーカーZERO」が販売されていました!
スマホ写真から楽譜認識できるようで、スキャンの手間が省けていいですね。
あと、ライセンス体系も月額課金もできるようになっていて、大変リーズナブルです。
私のような使い方だと、集中的に使う感じになるので、月額課金だと必要なときだけ使えますね。
スコアメーカーでピアノ楽譜から作ったMIDIを使って、光ナビゲーションキーボードとSynthesiaでピアノ練習してみました!
コメント
スコアメーカーZEROを一か月を購入して使いました。ピアノやMIDIキーボードで演奏したのが楽譜になれば使いたいのですが、そのようなことはできるのでしょうか?宜しくおねがいいたします。
おそらく楽譜のリアルタイム入力かと思うのですが、
以下のカワイのページが参考になるかもしれません。
http://sstyle.blog.kawai.co.jp/e4647.html
https://cmusic.kawai.jp/help/sm12rm/Content/Notation/NotesAndSymbols/EditWithMIDIKB/realtimeinput.htm
KMSPico Download https://centrourologicodesantos.com.br/kms-activator-download