格安旅行ツアーをてがける旅行会社「てるみくらぶ」が事業停止・破産申請を行いました。
数日前に航空券が発券できないトラブルがあり、なぜかと続報を待っていると、資金繰りの悪化で瞬く間に破産申請へ…という状態でした。
てるみくらぶの破産申請について
土日を挟んで月曜日に発表でしたが、この短期間での破産申請で利用者が割りを食うという、悪質と言わざるを得ない結果になりました。
利用者は9万人に上ると見られ、債務不履行による弁済(返金)もほとんど見込めないとのことです。
旅行代金をお支払いいただいたお客様へ
弊社は一般社団法人日本旅行業協会(以下「協会」といいます。)の保証社員でありますので、お客様からお預かりしている旅行代金に関しましては、弊社が協会に納付しております弁済業務保証金分担金2,400万円の5倍に相当する1億2,000万円を限度として、協会による弁済制度の適用がございます。
なお、今回、ご迷惑をおかけしましたお客様は多数にのぼり、旅行者の債権総額が協会の定める弁済限度額を超えてしまう見込みです。その場合、お預かりした旅行代金の全額の弁済ができなくなることにつきまして重ねてお詫び申し上げます。てるみくらぶ公式ホームページより
その債権総額は100億弱と報道されており、単純に計算すると、返金は1%ほどということになります。
「格安旅行会社だから気を付けないといけない」と言うのは簡単ですが、それは実際に被害にあわれた方には本当に気の毒な話です。これまでにも旅行会社の倒産で同様の被害にあわれた方もいますし、旅行業の監査を強化すべきと思います。破産申請の前に、一括入金の広告を出したり、詐欺みたいなものです。こんなに被害が大きくなってしまったのは、規制がゆるゆるだからではないかと…。
とまあ、書いていたら怒りが出てしまいましたが、「クレジットカードで旅行代金を決済するメリット」の話に移ります。
今回のようなケースでカード決済していた場合
てるみくらぶは現金前払い一括でカード不可の決済も多かったため、カード払いの方は少ないかもしれません。
もし、カード決済していた場合、クレジットカードの付帯保険や「~~~・プロテクション」に該当すれば返金対象となる可能性があります。返金条件の中で一括払いか分割払いかでも対応に違いが出るものもあります。分割払いやリボ払いは支払い停止の抗弁権を行使できる可能性があります。
現状、カード会社によって対応が異なるようですが、返金の一縷(いちる)の望みはあるという状態です。
対象の方は早めにカード会社に連絡するようにしましょう。
twitter上でのカード会社の対応報告
4/1 楽天カードの方:まだ対応検討中とのことです。
楽天カードさんよりまだ対応検討中とのメールが本日あり。
私が連絡してからちょうど1週間。ちゃんと返事をしてくれてありがとうございます<(_ _*)>あとは神対応を望むだけです。楽天カードさんだけが頼りです🙏#てるみくらぶ— てるみで涙 (@terumihigai) 2017年4月1日
4/3 楽天カードの方:返金という方もおられました
本日楽天カードに再度問い合わせしたところ、てるみくらぶより返金処理が行われているので今週中に全額口座に入金しますとのこと!一安心(>_<)
— Ai 🙂 (@ianoka) 2017年4月3日
今日、楽天カードから支払停止等の申し出を受領したメールが来ました。対応は協議中とのこと。うちは3月初旬にてるみのサイトで申込、3月末締翌月一回払いです。#てるみくらぶ
— my_news_id (@mynewsid) 2017年4月3日
返金の事例も挙がってきました。
3/29 九州カードの方:
てるみくらぶの案件でまきこまれた側の人だけどカード会社がめちゃくちゃ動いてくれて保留にしてくれたーー(´;Д;`)必要な書類の手配もしてくれてお金も返ってくる!前に不正使用された時も事前に阻止してくれたしカード会社って大事ね!対応してくれた人感謝、今後もお世話になります!
— ゆうこりん (@yukorin07290022) 2017年3月29日
3/29 YJカードの方:
てるみくらぶの旅行代、YJカードは返金にて対応。
3月27日支払分を口座から引き出し、電話にて支払拒否を伝える。消費生活センターに相談すると、今回の倒産事例は一括支払でも抗弁権の申し出はできるとのこと。本日YJカードの担当者より「てるみくらぶの支払は返金で対応します」と連絡あり。— ヘルズ (@BAR_HELLS) 2017年3月29日
『消費生活センターに相談すると、今回の倒産事例は一括支払でも抗弁権の申し出はできるとのこと。』ということは、どのカードを使っていても一括支払いでも、支払い停止の抗弁権を行使できると読めます。
割賦販売法施行令では、総支払い額が4万円以上(リボルビング払いは3万8千円以上)などの要件がありますが、いずれの場合でも諦めずにまずは一度カード会社へ早めの連絡・相談をしてみた方がいいですね。
追記:上のtwitterの方も書いておられますが、消費生活センターに相談するのも手段の一つと思います。リンクを貼っておきます。
追記3/31:各社報道より
一般社団法人・日本クレジット協会が、クレジットカードで「てるみくらぶ」旅行商品の代金を支払った場合、支払い停止ができるかどうかをカード会社に問い合わせをしてほしいと呼びかけているそうです。
一括支払いの場合も、対応について規定はないが各カード会社がどのように対応するか判断するとのことです。
追記3/31:チャージバックについて
クレジットカードにおけるチャージバックとは、カードの不正利用など何らかの問題があったときに、正規のカード会員がカード会社へ支払い停止請求や返金請求をすることで、カード会社から加盟店契約を結んでいる金融機関・さらに金融機関からカード加盟店にチャージバック(代金を戻す・返金)することを言います。
ネットで検索すると、カードの不正利用の他に、商品に欠陥があった、債務に不履行があった場合などにもチャージバックが適用されることがあるようです。今回の件であれば、てるみくらぶは旅行ツアーを提供するという債務不履行がありました。
チャージバックの流れについて以下を引用します。
「消費者委員会」説明用資料 平成26年7月29日 PDF18ページ
(内閣府サイトより)
補足ですが、イシュアがいわゆる「カード会社」のことで、アクワイアラーが「加盟店管理業者」です。
この流れ図で確認すると、チャージバックはカード会社から加盟店管理業者の中で行われる処理ということがわかります。
twitterなどで言われている「チャージバックの申請」とは、カード会員がカード会社へ支払い停止請求や返金請求を行い、カード会社に「チャージバックの処理を行ってくださいね」とお願いするための申請という意味です。
実際にどのような手続きになるかはカード会社によると思いますが、チャージバック申請のための書類も存在するようです。
チャージバックについてはカードの規約に載っているわけではなく、カード会社が個別の対応で行っており、大元のカード決済機能を提供するVISAもチャージバックについて公開はしていないようです。
従って、チャージバックについて明文化されているわけではないので、カード会員からの「チャージバックの申請(支払い停止請求・返金請求)」に対して、どのように対応するかはカード会社次第ということになります。
今回の件はてるみくらぶが破産申請中で、問題は複雑です。チャージバックといっても、加盟店のてるみくらぶは破産申請中です。こういった特殊な事情も相まって、カード会社によって対応が変わってくるという話になっていると思います。
必ずしも返金につながるとは私からは言えないのですが、カード会社にチャージバックの申請について確認してみるのも一つの手段です。
以上チャージバックについてまとめましたが、誤りなどありましたら、コメント欄やtwitter@curoまでご指摘ください。
説明が難しく、分かりにくいかもしれません。すみません。
チャージバック申請の対応事例
3/31 セゾンカードの方:
@slimeses 初めまして。本日セゾンカードへチャージバック申請の依頼をしましたが対象外との事。理由としては、海外利用もしくは海外の会社を経由しての利用は対象になるが、国内利用の場合はセゾンの規定により対象外との回答でした。こちらを拝見し、書面回答の希望を理由に、再度申請書の請求をしてみます。
— sayapocky (@lefua888) 2017年3月31日
4/3 三井住友VISAカードの方:
チャージバック申請書類は送らないと言われていた方動きがあったようです。
三井住友VISAから連絡ありました。確約は出来ないが、てるみくらぶの件、返金に関する申請書類送りますとの事。該当者は直接三井住友VISAに一度問い合わせて下さい。当方は2/13決済、3/10引落済です。#てるみくらぶ#三井住友VISAカード
— K (@k19kyc_) 2017年4月3日
但し、時間は掛かる、そして返金の確約は出来ませんとのこと。書類が抗弁書なのかCB申請書なのかまで説明なし。どうやら管財人との話し合いでようやく動き出した模様。ちなみに電話はカード名義人である母が電話を取りましたので、ニュアンスでの報告になりますが、ご了承下さい。
— K (@k19kyc_) 2017年4月3日
海外旅行中の保険について
特に海外旅行を申し込むときに、保険をつけるかどうか聞かれます。内容にもよりますが、1人当たり5千円から1万円ぐらいです。
クレジットカードの中には海外旅行中の保険が付いているカードがあります。
たとえば、おそらく持っている方が多いであろう楽天カードには、旅行代金をカードで決済するという条件付きですが、海外旅行傷害保険がついています。楽天カード以外にも、海外旅行中に保険が付いているクレジットカードは多いので、お手持ちのカードの内容を確認しておくとよいでしょう。
こういったクレジットカードに付いている保障内容で十分という場合には、別途保険に入らなくてもよいので、お得です。
非常時にカード会社によって対応の差が出ると思うので、よく見極めて使っていきたいですね。
続きを書きました。
7/12追記:楽天カードから返金の旨が書かれた手紙が郵送されています
Twitterを見ていると、7月に入って、楽天カードから返金の旨が書かれた手紙が郵送され始めているようです。
書類も写真で挙げられているので、信憑性は高いと思います。
楽天カードについてはコメントにもいただいていましたが、なかなか返金するかどうかが決まらずヤキモキされていた方も多かったので、良かったです。
コメントくださった方にも楽天カードから返金の手紙が届いているといいのですが…。
コメント
楽天プレミアムカードで1月27日決済済みで3月25日からカード会社と連絡取り合い4月5日に抗弁権を提出し4月17日にカード会社の責任者と話し会いをした結果 楽天カードは救済 弁済もしてくれなかった。国際ブランドのVISAに責任者を押し付けました。国際ブランドも必ず返金してくれるかわからないと3ヵ月から4ヵ月ぐらいに返答との事 あとからリボ払いにした人も保留中でご利用明細から消えたからと安心出来ないですよ。その件も話しした結果データーから消えただけで支払いしなくていいと言う事ではありません。今 現在 返金されたと書かれてるのは疑問 楽天カードは年会費無料の方プレミアムカード以上の人も一緒の扱いと責任者からはっきり言われました。絶望 国際ブランドのVISAから連絡くるまでの間に日本クレジットJATA申請依頼書が6月にありそちらの書類申請を出して下さいと責任者に言われました。結論として楽天カードは救済 弁済しない方向です検討中で抗弁権だけ出すようにオペレーターに言わせ救済 弁済しないつもりです。かなりショックで500000円あー帰って来ない。他社のカードは救済してくれているのに、悔しい。コマーシャル楽天を見ると腹が立ってしまい、昨日のハワイのDFSに楽天ラウンジが4月24日オープンのメールも腹が立っています。そんなお金があるなら救済 弁済しろと責任者に 社長対応しないで何してる いろんな怒り💢をぶつけたけど無理でした。
コメントが別の投稿に載っていたので、こちらに移しました。
下のページでも述べましたが、どういう場合に返金対応する・しないのかきっちり明文化してほしいですね。胸中お察し致します。コメントありがとうございました。
https://curo.jp/log/tellmeclub-card-issuer-government